おサイフケータイの初期化と機種変更の正しい手順

おサイフケータイの初期化と機種変更の正しい手順

おサイフケータイを使っているスマホを初期化・機種変更・売却するときは、端末を初期化する前に、使っているサービスごとに「機種変更(移行)」または「削除」の手続きをするのが鉄則です。スマホの初期化をしても、FeliCaチップに記録された電子マネーのデータは消えないと各キャリアは案内しています。手続きをせずに手放すと、残高を新しいスマホに移せなくなったり、前の端末にデータが残ったままになったりします。この記事では、作業の正しい順番と、主なサービスごとの考え方、すでに初期化してしまった場合の対処を説明します。

索引

まず確認したい5つのこと

  1. 使っているサービスを全部書き出す:「おサイフケータイ」アプリやGoogle ウォレットで、登録済みのサービスを確認します。
  2. 各サービスのID・パスワードを確認する:移行や再設定にはログインが必要です。忘れている場合は先に再設定しておきます。
  3. 旧端末が通常どおり使える状態か確認する:多くのサービスは、旧端末で手続きをする必要があります。SIMを抜く前、初期化する前に行います。
  4. サービスごとの「機種変更」手続きを旧端末で行う:手順は各サービスの公式案内に従います。
  5. 手続きが終わってから端末を初期化する:順番を逆にしないことが最も大切です。

なぜ初期化の前に手続きが必要なのか

おサイフケータイのデータは、スマホの本体ストレージではなく、FeliCaというICチップの中に記録されています。そのため、Androidの「設定」から端末をリセット(初期化)しても、ICチップの中の電子マネーや定期券のデータは削除されません。NTTドコモも、端末の初期化操作ではICカード内のデータは削除されないと案内しています。

ここで問題になるのが次の2点です。

  • 機種変更の場合:旧端末で手続きをしないと、残高や定期券を新しいスマホに移せないことがあります。サービスによっては再発行の手続きや手数料が必要になります。
  • 売却・譲渡・修理の場合:初期化しただけでは、チップにデータが残ったまま他人の手に渡る可能性があります。手放す前にデータを移行するか、削除してください。

サービスの移行方法は大きく3パターン

ドコモの案内では、おサイフケータイ対応サービスの移行方法を次のように分類しています。自分が使っているサービスがどのタイプか、各サービスの公式サイトで確認しましょう。

パターン流れ代表的なサービス(例)
預け入れ→受け取り旧端末で手続きしてデータをサーバーに預け、新端末で受け取るモバイルSuica、楽天Edy、nanaco、モバイルWAON、モバイルPASMO、モバイルICOCAなど
削除→再登録旧端末でデータを削除し、新端末で改めて設定する一部のポイントカードや会員証など
カードの種類によって異なる発行するカード会社の案内に従うiD、QUICPayなど

いずれのパターンでも、旧端末での操作が必要になることが多い点は共通しています。詳しくはドコモのおサイフケータイ「機種変更・初期化について」の案内も参考になります(ドコモ以外のスマホでも、考え方は同じです)。

主なサービスごとの機種変更の考え方

メニュー名や手順はアプリのバージョンによって変わることがあるため、ここでは大まかな流れを紹介します。実際の操作は必ず各サービスの公式案内を確認してください。

モバイルSuica

旧端末のモバイルSuicaアプリで機種変更の操作を行い、Suicaのデータ(残高や定期券)をサーバーに退避します。その後、新端末のモバイルSuicaアプリで、同じ会員情報でログインしてSuicaを受け取ります。JR東日本は、端末や通信会社の手続きをする前に、必ずモバイルSuicaの機種変更操作をするよう案内しています。また、改札の中に入場した状態では手続きできません。手順はJR東日本「機種変更」のページで確認できます。

Google ウォレットでSuicaを使っている場合も、データは同じGoogle アカウントと紐付いています。新端末で同じGoogle アカウントにログインしてから、案内に従って移行してください。

楽天Edy

旧端末の楽天Edyアプリで機種変更の手続きを行い、残高を預けてから、新端末のアプリで受け取る流れが基本です。楽天IDとの連携状況によって手順が異なる場合があります。

nanaco

旧端末のnanacoアプリで機種変更の手続きを行い、新端末のアプリで引き継ぐ流れです。手続きの途中で表示される情報(番号など)は、新端末で必要になるので控えておきましょう。

モバイルWAON

旧端末のモバイルWAONアプリで機種変更の手続きを行い、新端末で受け取ります。WAONポイントの扱いもあわせて確認してください。

iD・QUICPay

iDやQUICPayは、クレジットカード会社や銀行などの発行元によって手順が大きく異なります。新しいスマホでカードを登録し直すだけで済む場合もあれば、旧端末での削除が必要な場合もあります。Google ウォレットで登録している場合は、新端末のGoogle ウォレットでカードを追加し直す形になることが多いです。発行元の案内を確認しましょう。

正しい作業の順番(機種変更の場合)

  1. 旧端末で、使っているおサイフケータイ対応サービスをすべて確認する
  2. 各サービスのID・パスワードを確認する
  3. 旧端末で、各サービスの機種変更(預け入れ・削除)手続きを行う
  4. 新端末で、各サービスのアプリをインストールしてログインし、データを受け取る
  5. 新端末で残高や定期券が正しく表示されることを確認する
  6. 最後に、旧端末を初期化する

キャリアショップで機種変更をする場合も、おサイフケータイの移行は基本的に利用者自身で行います。来店前に旧端末での手続きを済ませておくとスムーズです。

売却・譲渡の前にICチップのデータを消すには

スマホを手放す場合は、まず各サービスで残高を新端末へ移すか、払い戻しの手続きをします。そのうえで、ICチップにデータが残っていないか確認しましょう。

  • 各サービスのアプリから削除・退会する:もっとも基本的な方法です。払い戻しができるサービスでは、ここで手続きします。
  • 端末のメニューから一括で消去する:ドコモによると、機種によってはICカード内のデータをまとめて消去するメニューが用意されています。交通系ICのデータはサーバーに退避されGoogle アカウントから受け取れる形になるため、手放す前にはGoogle アカウントも端末から削除しておく必要があります。それ以外の電子マネーは削除されるので、残高は先に移しておきましょう。
  • 「おサイフケータイ」アプリで使用状況を確認する:アプリのメニュー内に、ICチップのメモリ使用状況を確認できる項目がある場合があります(表示は機種やアプリのバージョンにより異なります)。
  • キャリアショップに相談する:ドコモには、ショップでICカード内のデータを削除するサービスがあります。ただし、Pixelなどのドコモ以外で購入した機種や一部の機種は対象外です。auやソフトバンクなど他のキャリアの対応は、各社に確認してください。

修理に出す場合も、修理の過程でデータが消えることがあるため、事前に移行や削除を済ませておくのが安全です。

移行せずに初期化してしまった場合

手続きをする前に初期化してしまっても、あわてる必要はありません。前述のとおり、端末の初期化だけではICチップ内のデータは消えないため、残高が残っている可能性があります。次の順に対処してください。

  1. 旧端末を捨てたり売ったりしない:まだ手元にあれば、旧端末が重要な手がかりになります。
  2. 旧端末をセットアップし直し、各サービスのアプリを入れてログインする:同じ会員情報でログインすると、データが表示され、改めて機種変更の手続きができる場合があります。
  3. 各サービスの問い合わせ窓口に連絡する:旧端末が使えない、壊れている、すでに手放したといった場合は、サービスごとに再発行や残高の扱いを相談します。会員登録をしていたサービスほど、残高を引き継げる可能性が高くなります。

無記名で使っていた電子マネー(会員登録をしていないもの)は、端末が使えなくなると残高を移せないことがあります。これを機に、新しいスマホでは各サービスの会員登録をしておくと、紛失や故障のときにも対応しやすくなります。

iPhoneへの機種変更・iPhoneからの機種変更

AndroidからiPhoneへ、またはiPhoneからAndroidへ乗り換える場合も、旧端末で各サービスの機種変更手続きをするのが基本です。ただし、サービスによってはAndroidとiPhoneの間で移行できないものや、手順が異なるものがあります。楽天EdyのようにiPhoneのApple Payでは使えないサービスもあるため、乗り換え前に各公式サイトで対応状況を確認してください。

よくある質問

Androidの初期化をすればおサイフケータイのデータも消えますか?

消えません。端末の初期化ではICチップ内のデータは削除されないと案内されています。サービスごとの移行・削除の手続きが別に必要です。

新しいスマホを先に設定してしまいました。旧端末での手続きはまだ間に合いますか?

旧端末がまだ使える状態なら、多くの場合は間に合います。旧端末をWi-Fiにつなぎ、各サービスのアプリから機種変更の手続きを行ってから、新端末で受け取ってください。

モバイルSuicaの残高が消えてしまった場合はどうすればいいですか?

会員登録をしていれば、JR東日本の手続きで残高を引き継げる場合があります。モバイルSuicaの公式サイトの案内を確認し、問い合わせ窓口に相談してください。

まとめ

おサイフケータイの初期化・機種変更で大切なのは、端末を初期化する前に、旧端末でサービスごとの移行手続きを済ませることです。スマホを初期化してもICチップのデータは消えないため、売却や譲渡の前には各サービスでの削除も必要です。もし手続きをせずに初期化してしまった場合も、旧端末を手元に残したまま、各サービスの窓口に早めに相談しましょう。

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